どうも。
今回は、沖縄の企業が県外の人(沖縄県出身者以外の人)を採用する際に悩んでいるネタを書こうと思います。
※この例はどちらかというと一般的なホワイトカラー企業のケースですのであしからず。
■県外の人を採用したいと沖縄の人事が思う理由について
これは一概に言えませんが、こういった例が多いです。
続きを読む沖縄の給与ネタ第2段です。。
ここに記載されている企業に入れば、まー沖縄での生活も安泰ですね。
沖縄の主要大手企業と言われる企業群の大卒初任給をまとめてみました。
※元ネタは各企業のHPやリクナビとかマイナビとかです。
※平均年収ネタは、ここから
①沖縄電力(東証1部上場 売上高:1775億※2015年度県内売上高No1)
いわずとしれた沖縄最強のインフラ企業です。離職率も圧倒的に低く、公務員よりも給与が高い。但し、台風時は全社員総出で対応です。笑 正直、辞める理由がない企業ですね。
【平成27年度実績】
大学院・大学卒:月給197,000円
高専・短大・専門卒:月給172,000
昇給:年1回(4月)
賞与:年2回(6月・12月)
休日:土曜日、日曜日、国民の祝日、地方祭、年末年始(12/29~1/3)
休暇:年次有給休暇:初年度15日、2年目以降20日
特別有給休暇:夏季、結婚、産前産後、配偶者出産、子の看護、介護、年功慰労、ボランティア など
【平均年収】732万
平均年齢:37.8歳
一人当たりの売上高:7171万
一人当たりの営業利益:367万
【入社難易度について】
かなり難しいです。まず中途採用はやっていません。関連会社やグループ会社なら入れますが・・・まず離職率が圧倒的に低いので新卒以外で入る事がまず難しいという現実です。更に沖縄出身者のUターンかつ慶應・早稲田などの難関大学等からの受験者もおり、入社倍率も究極に高くはないですが、筆記試験等の難易度が高い。。。というのが現状です。※難易度は理系<文系の方が高いです。採用倍率は20-30倍くらいだと思います。
②サンエー(東証1部上場 売上高:1598億※県内売上高No2)
沖縄の最強小売り業。その凄さたるや、沖縄の財閥。巨大複合企業と言っても過言ではありません。県外の人が知らない隠れた優良企業ですね。
その実力の一端はこれです。イオンが1000円当たりの利益額が1円の所、なんとこのサンエーは78円!!!
【総合職】
大学卒・院了 178,000円
短大・専門卒 153,000円
諸手当: 経営職手当、家族手当、通勤手当、遠隔地手当ほか
昇給: 年1回(4月)※本人の能力に応じ、給与見直しを行います
賞与 年2回(7月・12月)*好決算時に限り決算賞与あり(3月)
休日休暇 :月間9日(2月は8日)
年間休日:107日
待遇・福利厚生・社内制度:社会保険(健保・厚生)、雇用保険、労災保険
社員持株会、確定拠出年金、退職金、育児休業・介護休業制度
【平均年収】489.9万
平均年齢:35.1歳
一人当たりの売上高:12,439万
一人当たりの営業利益:1,029万
【入社難易度について】
小売業でもあるので採用人数が例年50~80名程度採用しているので、そこまでは高くないです。が、ここでポイントとなるのがやはり企業理念等への共感ができるかが結構大事な所ですね。採用倍率は5-10倍くらいだと思いますね。
③沖縄セルラー(東証1部 売上高:595億)
セルラー?いえ、沖縄セルラーです。KDDIグループの超絶優良企業です。沖縄は昔からauの島です。沖縄だけ特別に沖縄セルラーとして法人格を持っています。
そうしてなんと従業員数166名で年商約600億をたたき出す、最強の企業です。
何故凄いのかは下部に詳細を載せていますが、平均年収・1名辺りの売上高や営業利益を見て頂ければ一目瞭然です。
大学・高専卒初任給 月給184,000円
諸手当:通勤手当、時間外手当、住宅手当 他
昇給:人事考課に基づく昇給年1回
賞与:年2回
休日休暇:完全週休2日制、祝日、年末年始休暇、慶弔休暇、年次有給休暇、リフレッシュ休暇 他
待遇・福利厚生・社内制度:社会保険完備、退職金、退職年金、財形貯蓄、KDDIグループ保険、保養施設、社員持ち株会 他
【平均年収】770万
平均年齢:40.4歳
一人当たりの売上高:21,746万
一人当たりの営業利益:3,770万
→もう圧倒的ですね。。。
【入社難易度】
採用人数が元々、若干名なので、、、かなり難しい。と言うのが現状です。
5-8年前くらいに一度、中途採用をやっていましたが、まず新卒採用でなければ入れません。なぜなら理由は簡単、人が辞めないからですね。若干名採用に数百名の受験者が殺到するので倍率は50倍以上くらいです。かなり狭き門。。ですね。
④琉球銀行(東証1部上場 預金残高:1兆9672億)
沖縄の伝統ある格式ある銀行、それが琉球銀行。過去には琉球政府の元で、お金を発行していた社格ある銀行です。
■総合職:大卒・大学院卒 月給171,500円(2015年4月実績)
■一般職:大卒・大学院卒 月給141,000円
専門・短大卒 月給136,000円
諸手当:家族、職務、渉外、役付、技能、地域、二直、食事、借上宿舎、 時間外勤務、台風時就業などの各手当
賞与:年2回(6月、12月)
業績給・考課給:定期昇給を廃止し、業績給、考課給を導入
休日休暇:完全週休2日制(土、日)、祝日、年次有給休暇(10日~20日)、特別、慶弔、連続休暇(9日間)
保険:健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、団体生命保険
各種制度:遺族・障害年金制度、財形貯蓄制度、行員持株制度、職員貸付制度
【平均年収】532.3万
平均年齢:39.0歳
一人当たりの売上高:4058万
→支店長クラスまでいけば、1000万台に乗りますね。
【入社難易度】
こちらも採用人数が40-60名程度なので、そこまで難しくはないですが、ここで大事な事は「何故、沖縄銀行ではなく、琉球銀行なのか。」ここが難しいですね。ここを回答できるが否かが、合否を分けると言っても過言ではないですね。但し県外からの縁もゆかりもない状態で受験する場合は、「何故、沖縄なの?」は間違いなく聞かれますが。。。
⑤沖縄銀行
琉球銀行と双璧をなす、銀行。預金総量や利益額、店舗などもほぼ拮抗。
琉銀がJALなら、沖銀はANA。琉銀がdocomoなら、沖銀はau。そんな感じです。
〔総合職〕大卒:170,500円
〔一般職〕大学:140,000円 短大・専門学校卒:135,000円 高校卒:127,000円
昇格:年1回(7月)
賞与:年2回(6月・12月)
休日:完全週休2日制・祝日
休暇:年次有給休暇(初年度10日・次年度15日・勤続4年以上20日)
連続休暇(年1回)・シーズン休暇・記念日休暇、特別休暇(赴任休暇・結婚休暇・出産休暇・忌引休暇 他)
【平均年収】572.7万
平均年齢:38.8歳
一人当たりの売上高:3598万
【入社難易度について】
こちらもほぼ琉球銀行と同じです。採用人数が40-60名程度なので、そこまで難しくはないですが、ここで大事な事は「何故、琉球銀行ではなく、沖縄銀行なのか。」ここが難しいですね。ここを回答できるが否かが、合否を分けると言っても過言ではないですね。また両銀行共に、中途採用は原則、行わないので、新卒採用で入るしかありません。。
■沖縄、銀行業界の余談話■
正直な話、沖縄銀行と琉球銀行の大きな違いを探す事は難しいですね。預金総量や戦略など取り入れた新サービスなどもほぼ拮抗している状態です。但し、近年進出をしている鹿児島銀行や、今後、本格進出を検討している三井住友銀行などが来た場合、オーバーバンクに拍車をかけ、統廃合などが起これば、その図式は崩れますが・・・
⑥日本トランスオーシャン航空(JALグループ・沖縄と主要都市を結ぶ航路)
沖縄本島を中心に八重山・宮古などの離島と羽田・関空などの県外主要都市を結ぶ、JALグループの子会社が日本トランスオーシャン航空(通称:JTA)。堅調な観光客の伸びを背景に業績を好転させています。JAL本体よりは収入等は下がりますが、待遇等はJALグループ基準なので、陸路がない沖縄にとっては重要な会社です。
※関連会社に琉球エアーコミューターと言われるプロペラ&近隣離島専門の航空会社もあります。
総合職業務企画系(事務・技術)
2015年4月実績初任給 四大卒 約180,000円
諸手当:通勤費、時間外労働手当、深夜労働手当、休日労働手当、シフト勤務手当、年末年始出勤手当、精勤手当
昇給:年1回(4月)
賞与:年2回(夏・冬)
休日休暇:完全週休2日制(土・日)、祝祭日、年末年始 年平均121日
【シフト勤務】月平均10日 年間121日
【休暇】年次有給休暇、夏季休暇、特別休暇(慶弔休暇等) 等
待遇・福利厚生・社内制度:各種社会保険、企業年金制度、JALグループ便優待搭乗制度(国内線/国際線)、その他
【平均年収】
こちらは探せませんでした。
が、参考までにJAL(日本航空)の年収の平均は756万円という事だったので、それよりも低いという事が予測できますね。※但しパイロットは別基準かと思います。
【入社難易度について】
基本は新卒採用のみです。こちらも沖縄セルラー程とは言いませんが、かなり高いです。おそらく30倍~50倍程度です。特に県外からの受験者(航空業界好きたちやCAになりたい女子)が応募をしてくるので採用難易度もグッと上がります。
⑦オリオンビール(言わずと知れた沖縄を代表する企業)
県外の方が一番知っている企業は、この企業しかないのでしょうか。
沖縄に行ったら、1杯は必ず飲んでいるのでは、、くらい県内でも有名なオリオンビールです。現在はアサヒビールの関連会社として、沖縄でアサヒビールも製造しています。沖縄県内シェアも圧倒的で50%~70%近くあると言われています。むしろ居酒屋等でオリオンが入ってない店を探す方が難しいです。現在は対県外や対アジア圏での販売網等に力を入れている企業です。
そんなオリオンビールですが、意外に規模は小さいのです。
売上高:231億
従業員数:159名
大学卒・大学院修了・高専(専攻科)卒:月給173,300円
諸手当:通勤手当、住宅手当、家族手当、超過勤務手当、食事補助 ほか
昇給:年1回/4月
賞与:年2回/7月、12月
休日休暇:週休2日制、祝祭日、会社が定める休日、年次有給休暇(初年度11日) ほか
保険・福利厚生:雇用保険、厚生年金、健康保険、労災保険 、福利厚生保養施設保有、スポーツクラブ等施設契約
【平均年収】596.6万
平均年齢:40.3歳
一人当たりの売上高:7535万
一人当たりの営業利益:438万
【入社難易度について】
こちらも採用数は例年、若干名です。※中途採用も原則ありません。
こちらも沖縄セルラー同様、県民誰もが知っている憧れ企業ですので、採用倍率は50倍近くになります。やはり狭き門ですね。
という事で主要7社のまとめでした。
またほかにも取り上げたい企業もあるので、機会があれば第2段もやろうかと思います。では、また。
今回は沖縄にはない企業や仕事についてです。
実はこれは、元々東京で就職情報会社をやり、沖縄でも同じ様な仕事をしていた事で、如実に感じる点を下記連ねようとかと思います。
大きく特徴は3つです。
①本社機能がない
②製造業がない
③大企業が少ない&非正規雇用が多い
では一つ目から。
①本社機能がない
沖縄には当然、いろんな企業が本土(内地)から進出をしてきておりますが、
本社機能がありません。当然ですね。
つまり【支社・支店・営業所・事業所】しかない、という事ですね。
という事は、企画・販売・マーケティングや規模の大きな仕事をしたい場合は、
沖縄を出て東京・大阪などの都市部の企業に働きに出る事を考えなければいけません。
よく学生から聞くのは「企画・マーケティング」や「商品開発」をしたい。
と相談されますが、学生が知っているのはよくTVCMをしている、
自動車メーカーや製菓・総合電機メーカーなどの企業群の名前が出てきます。
学生にはこういいます。
沖縄にはそれを作る事業所の機能がなく、販売やオペレーション部隊が多い。
基本的に企画・マーケティングなどの機能は本社で決めるので、できない事が多いよ。
その場合は、沖縄本社の会社に行った方がいいとお伝えします。
ちなみに沖縄の場合、おいしい転職は、
「東京などの大きな会社の沖縄支店や事業所で働く事」がおいしいです。
つまり給与や福利厚生・待遇は本土水準(地方等で多少下がる可能性はあるが…)で、
勤務地は沖縄で働く。
②製造業がない
以前まで沖縄は「3K経済」と言われてきました。つまり公共事業・観光・基地。
近年にはおいては、 基地への依存度は多分に下がっているものの、以前、偏った業種構成である事は変わりありません。
観光業界・サービス業界・建設・不動産、このあたりが圧倒的に多い。
理由は明確でいくつかあります。
・物流コストの問題
→島嶼県が故に、部品を持ってくるコストと流通させるコストの双方が計上されてしまいます。※うまい具合に沖縄で加工から対アジアに流通させられればいいのですが・・・
・工場設置立地の問題
→広大な土地がない。大きな製造拠点をつくるには、土地がない。
※但し普天間・嘉手納などの米軍基地が変換され、そこに大規模な製造拠点が設置可能になれば別ですが、、、まずないでしょう。
・流通品質の問題
→本土(内地)等への販売の場合、大規模工場が設置できない事や、品質のクリア、短納期(どうしても航空・海運になる)が難しい。などの観点から難しい。
上記の様な理由で製造業が発達しにくいという環境下にあります。
尚、県外の方に有名な製造業で言うと、アルコール飲料(オリオンビール) や御宮銀では、製菓(紅イモタルト→お菓子御殿)、製菓(スッパイマン→上間菓子店)などが有名ですが、いずれも大量生産までは至っておりません。。
この様な状況から製造業が少ない≒部品メーカーが存在しない&流通&商社会社が少ないなど、製造業がない故に、裾野企業が存在しない、などという問題点があげられます。
その代わり公共事業などが多い事から、建設・電装・内装関連は多いですけどね。
※後は不動産等も多いです。
③大企業が少ない&非正規雇用が多い
先ほど、製造業がない等の御話をしましたが、やはり大企業が少ないです。
つまる所、こういった観点があります。
・経済規模が小さい
・観光・サービス産業など参入障壁が低い産業が多く、大規模化しにくい。
沖縄で年商1位~3位の企業群はこんな感じです。
1位:南西石油(石油)、2位:沖縄電力(インフラ)、3位:サンエー(小売)
※地方銀行は除く。
3位のサンエーはイオンみたいな企業ですが、いずれも1500億~2300億程度の年商です。ちなみに内地でも有名なオリオンビールは売上高で200億程度です。
つまり、最低限必要なインフラ企業群以外は育ちにくい土壌にあります。
※沖縄の大手企業の詳細は別の機会に触れたいと思いますが、、、
沖縄は中小零細企業が99%で構成され、かつ起業率・廃業率が他府県と比較しても非常に高い県です。
また近年、コールセンターなどのIT≒BPO関連企業が進出をしておりますが、いずれも非正規雇用が多いのが現状です。
下記は沖縄タイムスに出ていたニュースですが、、、
正社員の新規求人27%どまり 沖縄 正社員希望は7割 | 沖縄タイムス+プラス
年間の有効求人倍率が復帰後最高の0・84倍に上る一方、7割以上の求職者が正社員を希望しているのに、非正規の求人が7割以上を占める“逆転現象”が浮き彫りになった。
上記の記事の様に 、非正規雇用率が元々高い為、他に右習えで、非正規雇用している企業も多いのが事実です。※離職率も、他府県と比べ高い為、非正規で採用している事もある。
また内地系の有名企業においても、沖縄だけ現地法人を作り、人件費を下げているというケースも見受けられます。
沖縄で職探しをするときは、この様な点も踏まえて、企業を探す事をお勧めします。
ないものはないんです。。。